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投資とは?投資が必要な理由

NISA(ニーサ)やiDeCo(iDeCo)と言った数年前から何となく聞いたことがある単語を最近、よく耳にしませんか?

世間では老後2000万円問題と騒がれており、老後資金が心配な方は多いのではないでしょうか?かくいう私もその一人で、10年ぐらい前から投資を始めました。本格的に投資を始めたのはここ2,3年になりますが、投資について勉強したことを自分の備忘録も兼ねて記事にまとめておきたいと思います。

初心者向けの記事ですので、すでに投資をしている人にとっては少々薄い内容になります。ですが、今まで1度も投資をしたことがない人にとって、初めて投資をするのは非常にハードルが高いかと思います。まずは投資について知ることから始めてみて下さい^^

投資とは?

投資とは、「利益を見込んで資金や時間を投じること」を言います。一般的には「資金を投じること」と言われていますが、私は「時間=お金」という考え方から時間も含めています。

投資には、様々な投資対象があります。その種類を簡単にまとめてみました。

投資の種類内容
株式投資株式会社が発行する株式を売買したり、配当金を受け取ることで利益を得ます
債券投資国や会社が発行する債券を購入し、利息を受け取ります
不動産投資土地や建物を売買したり、賃貸した利して利益を得ます
外貨投資米ドルやユーロなど外貨を売買したり、金利を受け取ることで利益を得ます
投資信託投資のプロに投資を任せて利益を得ます
プロは株式、債券、不動産など様々な投資対象に投資します
金投資金を売買し、利益を得ます。金の他に銀やプラチナなどもあります
自己投資自分自身にお金や時間を投資し、利益を得ます
事業投資事業を対象に投資をし、将来的な利益を得ます
表.代表的な投資の種類

この他にも様々な投資がありますが、代表的なものを挙げてみました。

一番リターンの大きい投資は?

一般的には、株式・債券などの金融商品を購入することを投資と言われています。しかし、20代・30代であれば、自己投資(自分自身への投資)が一番のリターンを生みます(成功している人の本によく挙げられています。)

具体的には、英会話やプログラミングにお金や時間を使うこと自分自身のスキルを磨くことで、今の仕事での昇給・転職で年収増加が期待できます。他にも、ドラム式洗濯乾燥機やお掃除ロボットを購入することで家事の時間を減らし、自分自身に使える時間を増やすことも投資と言えます。

好きなブランドの高級時計や高級バッグを購入することで、自分自身のモチベーションが上がり、仕事や勉強の効率が良くなるのであれば投資とも言えなくはないですが、その効果がなければただの浪費になります。

投資が必要な理由。今の100万円は10年後も100万円?

仮に、今手元に100万円あるとします。

「その100万円は、10年後も100万円でしょうか?」

恐らく10年後も額面上は100万円のままだと思います。ですが、実質的にはお金の価値は変化するためそうとは限りません。

インフレとデフレ

「昔は100円で買えていたものが、今は120円じゃないと買えない」といったはないでしょうか?

個人的には、コンビニで売られているスイーツやパンなどがそうじゃないかと感じるいことがあります。他にも、値段は変わらなくても、商品が小さくなったり内容量が少なくなったりと、実質的に値上げが行われているケースもあります。

こういったモノの価値(物価)が上がり、お金の価値が下がることをインフレーション(インフレ)と言います。

逆に、物価が下がりお金の価値が上がることをデフレーション(デフレ)と言います。「モノが安く買えるなら、いいじゃん!」と思われる方もいるかと思いますが、モノが安くなるということは、会社の利益が減り、給料が減ります。給料が減ると、購買意欲が下がり、モノを買わなくなります。モノが売れないので、モノを安くする・・・といった悪循環に陥ります。この悪循環をデフレスパイラルと言います。そのため、モノが安くなるからいいとは一概には言えません。

国の目標は2%のインフレ

モノの物価が下がらないようにするための日本政府の金融政策として、2%のインフレ目標が導入されています。インフレ目標2%というのは、年間で物価を2%上昇させることを目指すということ。

つまり今100万円の車が5年後にどうなるかというと・・・

 1年後 → 1,000,000 × 1.02 = 1,020,000円
 2年後 → 1,020,000 × 1.02 = 1,040,400円
 3年後 → 1,040,400 × 1.02 = 1,061,208円
 4年後 → 1,061,208 × 1.02 = 1,082,432円
 5年後 → 1,082,432 × 1.02 = 1,104,080円

となるため、100万円で買えたものが5年後には約110万円になってしまいます。

100万円を貯金していたとしても、銀行は年利0.01%程度ですので5年間預けたとしても数百円しか増えません。今なら買える100万円の車が、5年後にはお金が足りず買えなくなってしまいます。

インフレに対応するためには?

インフレになると実質的にお金の価値が下がります。そうなったときに困らないようにするため、投資が必要になってくるというわけです。

では、具体的にどういった投資が有効でしょうか?先ほど様々な投資の種類を挙げましたが、ここでは株式投資を例に説明します。

インフレの時に株価はどう動く?

株式に投資しているときにインフレが起きるとどうなるのでしょうか?

インフレが起きるということは、物価が上がります。物価が上がると、会社の利益が増えます。利益が増えると給料が増え、購買意欲が上がり、モノを買います。モノを買う人が増えれば物価が上がり・・・というのがインフレです。

ここで注目したいのは、会社の利益が増えるという点です。

そもそも株式会社とは、所有している株式数に応じて利益を分配する仕組みのことです。会社の利益が増えるということは、分配される利益(配当金)が増えます。配当金が増える会社の株はみんなが欲しいと思うため、株価も上昇します。

そのため、インフレ時に現金で所有していればお金の価値は下がってしまいますが、現金を株式に投資をしていれば株価も上がるため、現金が目減りすることを回避できます。

国は投資を推進している。投資の税制優遇制度NISAとiDeCo

最後に、冒頭で紹介したNISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)についても簡単にご紹介したいと思います。

NISA(小額投資非課税制度)とは?

NISAとは、小額投資非課税制度のことです。小額投資非課税制度と言われても意味がわからないと思われるかもしれませんが、一言でいうと、

「投資で得た利益が非課税になる」

という制度です。

現在(2022年1月)時点では、一般NISAと積立NISAがあり、

  • 一般NISA:年間120万円、5年間非課税
  • 積立NISA:年間40万円、20年間非課税

といった違いがあります。
※NISAについて詳しい解説は別の記事で解説したいと思います。

投資で得た利益には約20%の税金がかかる!?

投資の経験がない人にとっては、ご存じない方がほとんどだと思いますが、投資で得た利益には税金がかかります。

例えば、100万円で購入した株を120万円で売却できたとします。この時の利益は、

 利益:120万円 - 100万円 = 20万円

となります。この20万円がそのままもらえるといいのですが、約20%の税金がかかるため、実際に自分の手元に残る金額は、

 税金:200,000円 × 20.315% = 40,630円
 残金:200,000円 - 40,630円 = 159,370円

となるため、約16万円になります。

配当金の場合も同様で、例えば100万円の株を所有しており、年間5%の配当金が入ったとします。
 利益:100万円 × 5% = 5万円
 税金:50,000円 × 20.315% = 10,157.5円 
 残金:50,000円 - 10,157.5円 = 39,842.5円

配当金で5万円もらったとしても税金で引かれるため、4万円も手元に残りません><

NISA制度を利用した場合、これらの配当や譲渡益(売買で得た利益)が非課税になります。

先ほど挙げた例で言うと、20万円は20万円のまま、5万円は5万円のまま利益が丸まる手元に残る。これがNISA制度になります。

※所得税:15% 住民税:5% 復興特別所得税:所得税額の2.1% 合計20.315%

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?

続いてiDeCoについて解説します。

iDeCoとは、個人型確定拠出年金という制度で、自分自身で拠出した掛金を自分で資産運用し、年金として受け取る制度のことです。

iDeCoのメリット

iDeCoの主なメリットは、

  1. 掛金が全額控除される
  2. 運用益は非課税

の2点です。

「掛金が全額控除される」と言われても、税金に詳しくない方はよくわからないかと思います。簡単に言いますと、掛金に応じて、所得税10%と住民税10%が低くなります。

どれくらいかというと、課税所得300万円(年収じゃないですよ)の人が掛金毎月2万円拠出した場合、年間24万円控除されます。この場合、

 24万円 × 20% = 4.8万円

となり、所得税と住民税合わせて年間4.8万円も税金が低くなります。住民税は一律10%ですが、所得税は課税所得額が大きい人ほど節税効果が大きくなります。
※iDeCoについて詳しい解説は別の記事で解説したいと思います。

また、資産の運用益(利益)はNISAと同じように非課税になります。

iDeCoのデメリット

NISAと比べて、iDeCoのほうが節税の面では非常に優れた制度です。しかし、

  1. 原則60歳以降にしか受け取れない
  2. 運用できる商品が少ない

といったデメリットがあります。一番のデメリットは、

60歳以降にしか受け取れない

という点です。「急に資金が必要になった!」といった場合でもiDeCoの場合は、すぐに現金として引き出すことはできません。確定拠出年金という制度の名前の通り、年金として資産形成する制度であるため、60歳以降にならないと受け取ることができません。

運用できる商品も限られており、投資信託や定期預金が中心で個別の株式投資はできません。また、iDeCoを開設する証券会社によりますが、商品数は上限35本と限られています。

国は面倒を見てくれない?老後の資金問題

なぜ、iDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度が作られたのでしょうか?

「国や企業に頼らず自分で資産運用をしてね」と言った背景があると考えられます。

以前は、国民年金や厚生年金などの公的年金の他に、さらに上乗せされる企業独自の厚生年金基金といった企業年金制度がありました。この企業年金制度は、資産運用が悪かった場合企業が補てんする必要がある制度です。高度経済成長期は、問題ありませんでしたが近年では景気が悪化し資産運用がうまくいかず補てんする必要が出てきたため、従来の企業年金制度の代わりに、自分自身で資産運用する確定拠出年金制度が導入されました。

まとめ

いかがでしたか?

老後資金のために、投資が必要な理由や投資の種類について何となくご理解していただけたでしょうか?

実際に投資をするには、まだまだ必要な知識はたくさんありますが、

  • お金の価値を減らさないようにするため投資が必要
  • 国は資産運用するための制度(NISA、iDeCo)を用意している
    ※資産運用を促している

まずは、この2点を理解して頂ければよいかと思います。